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天高く 好奇心肥ゆる秋

以前からなんだか気になっていた
荒俣宏さんの著書を図書館で借りてきて読んでいる。
ものすごく博識で有名な方ですが
なにかのテレビに出られていて
奥さんとのやりとりが、とても可愛らしかったので
その人柄と、いい大人なのに
子ども顔負けの好奇心とそれに対する探究心に
こちらも興味惹かれたのでした。

今読んでいるのは『奇っ怪紳士録』
もうすぐ読み終わりそう。
表紙には
“尋常ならざる思想と行動力を武器に
    世界の均衡を揺るがす人々、それが奇人だ。
            〜中略〜
       危険な魅力溢れる人物コレクション”


江戸後期から明治、大正、昭和初期あたりまでに実在した
過剰な執着と実現しようとする行動力が
江戸川乱歩作品の登場人物ばりな人々の人生を
否定せずニコニコと楽しげに、いぶかりながら
割と客観的に書かれています。

濃ゆいので読んでると結構消耗するんだけれど
まぁよくもここまでブッ飛んだ人間がいたもんだなぁ
でも、すごく遠い話に感じられて小説を読んでるようだ。と共に
荒俣さんの、それこそ奇人的な好奇心を全開に
あのつぶらな瞳でニコニコしてるんだろうなぁと思うと
奇妙な疲労感が中和されるような気がする。
なんだか可愛らしい人だなぁ。荒俣さん。
例外的にあとがきを先に読んじゃったのだが
南伸坊さんによる逸話、ちょっと笑っちゃった。


この本の前に読んだのが沢木耕太郎さんの『深夜特急』全6巻
いまからおよそ35年前、26歳の沢木さんが
単身バックパッカーとして外国を旅した紀行文です。
国々の情景よりも沢木さんのその時思ったこととか
出会った人や子どもへの接し方とかがとても魅力的で
村上春樹さんの小説に出てきそうな感じ。

でもこういう旅はやりたいなぁと思えなくなった。
国の情勢によっての危険さもあるけれど
続けてきた旅に疲れボロボロのホテルで
何日も虚ろな瞳で天井を見つめ、体も心も崩れていく。
沢木さんはかろうじてハッと気づきながら
落ちずに旅を続けていきます。

何年もかけて極貧旅行をした先には
一体彼らはどうするんだろうと危うさを感じる場面があった。

誰にでも出来る経験じゃないし
世界を見ることで
家と会社の往復人生にはない何かを知ることができるだろう。
しかし一度社会から完全に離れて経験したことを
面白がってくれる環境があればいいけれど、そんなには無いんじゃないか。
容易に社会復帰できるような気がしないのだ。
どうするんだろう?
と、余計な心配をしたりスリリングな展開にドキドキしたり
喜怒哀楽をフル活用して楽しめる。
旅そのものよりも沢木耕太郎さんが気になってダカダカと読みました。

荒俣さんと沢木さん、1947年生まれで同い年なんだよなぁ・・・

んあー、眠くなってきた。おやすみー
by ukigumo-kaza | 2008-10-02 23:39 |
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