太陽

『天皇は神であって、人間ではない。』

第二次世界大戦、終焉にむかっていく。
神として崇め立てられていた昭和天皇が
国民と同じ人間であることを公言する。

今の時代、人間ではないなんて
んなバカなーと思えることが
本当に信じられていたんだろうか。

高校の歴史の授業で
明治、大正、昭和あたりは
時間が足りなくてできなかったんだよなぁ。
そのためこの辺りのことは
第二次世界大戦以後の
テレビで報道されている程度のことしか知らないので
とても曖昧。

ヒトラーとなんで同盟を組んだのか
戦争での勝率のみで組んだのか
そんなに遠くない過去なのに
よく知らないことだらけだ。

この映画は昭和天皇の個人性を追った作品だけれど
おそらく厚いベールで隠され続けていたことを
こんな奥まで知ることは出来ないんじゃないか。
憶測の部分が多いかもしれないな。

東京は焼け野原で、広島も原爆を落とされた後だというのに
海洋生物の観察、庭には放し飼いの鶴
あまりにも外と隔絶されすぎた世界。
鶴がいいタイミングでよく鳴く。

マッカーサーに薦められた葉巻を
一度断りながら、やっぱ貰うってときに
それまで英語で会話していたのに意識が葉巻にいったあまりに
日本語で「あぁ、すごいね。これは何?」と訊ねる。
侍従たちと送られたチョコレートにワイワイとなったり
なんというか、無垢な感じがした。イノセント。
なんとなく緊張感がない。
戦争は旗色が悪くなっていると分かっているのに。

天空城のように浮いたところに住む天皇は
確かに徹底的に祀り上げられた神さながら。
地獄絵図の地上と離れた場所に生きている。
のに、細かいスケジュール管理。

侍従や通訳が戸の間から覗きすぎ。
「巨人の星」の明子が木陰から見守るように
ひょっと顔を出しているのが可笑しい。

ロシアの監督がアメリカ、日本どちらも非難、贔屓せず
神格化された天皇という人間を
ちょっと下がった場所で撮っている気がする。
映像は色を抑えめに荒れた画像にして
戦闘機が魚になって空襲している場面は
戦争への悪夢なのか?

イッセー尾形さん、天皇そっくり。
「あ、そ」「そ、そ」

終わり方が、天空から降りていく余韻があっていい。
若い録音技師の自害の理由。衝撃をうける天皇皇后。
皇后がちょっと気だるくて違和感があったな。
この映画の戦争を体験しただろう年代の出演者は
どんな気持ちで演じていたんだろう。

公開不可能とまでいわれた…と
劇場予告で言っているけれど
理由が分からないし
この映画で禁止になったら
その方が問題だったろう。★★★☆

e0038717_18282072.jpg太陽
彼の名前は、昭和天皇、ヒロヒト。1945年8月。その時、彼は庭師のように質素な身なりをしていた。宮殿はすでに焼け落ち、天皇は地下の待避壕か唯一被災を免れた石造りの生物研究所で暮らしていた。人は、彼を神の子孫だと言ったが、天皇は「私の体は君たちと変わらない」と言った。戦況は緊迫していたが、彼は戦争を止めることができなかった。その苦悩は悪夢に姿を変え、午睡の天皇に襲い掛かる。うなされるように目を覚ます天皇の孤独。彼は「私は誰からも愛されない」と呟き、遠く離れて暮らす皇后と皇太子たちのアルバムに唇を寄せた。日本はまだ闇の中にある。やがて連合国占領軍総司令官ダグラス・マッカーサーとの会見の日が訪れる。彼はひとつの決意を胸に秘めていた・・・。
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by ukigumo-kaza | 2007-07-22 16:32 | 邦画
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