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SAYURI

SAYURI

色んなところで論争を巻き起こしている作品ですね
ずいぶん前、海外のトレーラーを見せていただき
どんな感じだろうと。
言葉とか風景の違和感の話しを読んでしまったのですが
始まって数分を過ぎると平気でした。

見た感じは
日本の俳優さんも出ているし
日本のストーリーなのですが
日本だけれど日本じゃないような。
主人公さゆりが姉を探しに隣町までいく景色は
昔見た「スワロウテイル」
アゲハが闇医者に担がれるときのシーンを思い出しました。
スワロウテイルも日本であって日本でないので
思い出したのかも。

で、間というかリズムが硬くて早いような・・・
とても感覚的なものなので、伝わらないかもしれませんが
湿気感というか、ゆっくり感というか、しっとり感は軽い・・
んーーー、なんと言ったらいいんだろう

今テレビで「釣りバカ日誌・江戸篇」をやっていますが
オッペケペーであっても落ち着きのようなものがある。
で、この映画はそれより50cmくらい浮いた
フンワリした場所でおきている出来事のような。

自国の作品は、床に胡座をかくような落ち着きに対して
立って見ている感じというか・・・ま、いっか。
ファンタジーみたいな
面白い感覚で見ていました。嫌な感じじゃないです。

色は鮮やかでとてもキレイ。
彩度が高くて見たことない雰囲気を作っていましたね。
さゆりが豆葉の着物をかえしに
階段を上がるときの画面はグラフィカルでよかった。
丸い明かりに、放射しているような竹の線。
撮っている人は日本は美しいと思っていたのかな。

一途な思いが切ないですね。
自ら選んで芸者になったわけではないのに
芸者の世界の「〜した方がいい」とか「〜するものだ」っていう
習わしに沿わなくちゃいけない。
お陰でたくさんの寄り道。
チャン・ツィイー、もすこし丸みがあったほうが良かったかな。
首のあたりが細くて、全身も細いので何だか活発的です。

コン・リーはスゴいですね。
まだ見ていないけれど気になっている「活きる」
この作品では、全然違う性格でしょう。スゴいなぁ

初めて↓みたとき、テクノっぽくて美しいなぁと思いました。
ビョークのこのCDジャケットを連想させます。
初めて見た時の衝撃っ!
ちょっと気持ち悪いけれど目を引きます。  ★★★★

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日本の昭和初期として見るのは
ちょっと難しいかもしれませんが
これはこれでアリじゃないかなぁと思いました。
村上春樹さんの「海辺のカフカ」上巻
「人はその欠点によってではなく、その美質によってより
  大きな悲劇の中にひきずりこまれていく。
   〜そこに不可避的にアイロニーが生まれる。
     〜アイロニーが人を深め、大きくする」ってこういうことなんだろうか

追記;一番驚いたのは元「舞の海」がでていた!!
by ukigumo-kaza | 2006-01-21 23:40 | 海外映画
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