ランド・オブ・プレンティ

ヴィム・ヴェンダース監督の
ドキュメンタリー的なカラー作品。

9.11後のアメリカ。
誰に頼まれるわけでもなく
自国を守りたいと思うあまり
街をパトロールするポール伯父さんを
長年、海外で生活していた姪が
母(伯父さんの妹)の手紙を持って訪ねてくる。

二人は中東に対する意識が真逆。
伯父さんはターバンを巻いている人を見るだけで
テロリストだと決めつけ、
ビデオカメラや遠隔スコープなど搭載したボロボロのバンで
執拗に追跡し調査記録をつける。

姪は人種を差別することなく
お世話になっている教会で
貧しい人たちに混ざって
配給をしている。


アメリカは正義だと強く信じる伯父の目の前で
ある事件が起こる。
徐々に状況を見つめながら
姪に導かれつつ
あたらしい事実に気づいていくのだが・・・

伯父はベトナム戦争の経験があり
9.11でその時の場面がフラッシュバックを起こし
ピンク剤と呼ばれる枯れ葉剤の影響で
いまも苦痛を強いられながらも
戦争に勝ったしアメリカのしてきたことを信じてきた。
情報が限られた状況に置かれただろうし
自国を救いたい!って強い気持ちは責められない。

マイケル・ムーア監督ほど
パワフルでガンガンと強烈に訴えてはこないけれど
市民の気持ちと事実の間にある捻れに
本当に自由の国なんだろうかと感じた。


姪と伯父さんがある家を訪ねたとき
ハチドリがプププと飛んできて
家先の餌にくちばしをのばすシーンが印象的。

姪の信仰するキリスト教の「慈悲」という思想が
抜け道がないようなどうしたらいいのか分からない状況に
救いを与えているような気がした。★★★★☆
ぜひ、監督のインタビューも見てみてください。

e0038717_1246741.jpgランド・オブ・プレンティ
イスラエルで育ったアメリカ人のラナは、亡き母の手紙を伯父ポールに渡すために10年ぶりにアメリカの地を踏む。伯父はベトナム帰還兵。9.11のテロ以来、アメリカを守ろうとひとりで警備を続けている。そんな彼らがアラブ人の殺人事件をきっかけに再会。ラナは遺体を家族に渡すため、ポールは事件の真相を究明するために、一緒に旅立つことに。
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by ukigumo-kaza | 2010-02-21 12:51 | 海外映画
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